【汚れた空気を強制排出】24時間換気システムについて
気密性の低い住宅や部屋、人の出入りの多い家や部屋の場合は、空気が汚れても外の空気が入りやすく、常に換気されやすくなっています。
昔の日本家屋では、夏の高温多湿に対応するため、風通しよく、換気されやすい家になっていました。
ところが、冬場になるとそれがマイナスに作用していました。
いくら暖房をつけても寒いのです。
襖や扉や窓枠からはスースーと風が入り込み、床からは真冬の冷気がせり上がってきます。
足元はジンジンしびれるように冷たくなり、夜寝る時は凍えながら寝ることになります。
でも、確かに昔は、夏の暑さも今ほど深刻ではありませんでしたし、エアコンもありませんでしたので、これで良かったのです。
でも今は、夏は窓を全開していても熱風が入り込んでくる状態になってしまいましたので、夏も断熱し、エアコンの効きを良くする方が良い状態になってしまったのです。
そこで、日本家屋特有の『 暖房を入れていても冬寒い状態 』を改善するために、気密性の高い、高断熱住宅が作られるようになりました。
マンションや戸建住宅の気密性が上がると、冷房高率、暖房効率ともに上がります。
エアコン・ヒーターで部屋を暖める
→ 温まりやすく、冷えにくい
→ 電気代・灯油代・ガス代を抑えられる
エアコンで室内を冷やす
→ 冷えやすく、節電になる
→ 電気代が安くなる
でも、室内に汚れた空気が篭ってしまうため、室内の空気の状態が悪くなりやすくなります。
特に二酸化炭素。
気密性の高い家やマンションでは、二酸化炭素濃度は非常に上昇しやすくなります。
そこで、24時間、ずっと換気扇をつけっぱなしにして、室内の汚れた空気を強制排出します。
それが24時間換気システムです。
24時間換気システムを切った場合
気密性の高い住宅や人の出入りの少ない家や部屋の場合は、外の空気が入り込みにくいので、24時間換気システムを切ると、部屋の空気が汚れます。
特に、二酸化炭素濃度が上昇しやすくなります。
そのため、24時間換気システムを切るのであれば、自分で部屋や家の窓を開け、定期的に換気をする必要があります。
特に石油ファンヒーターやガスファンヒータなどの暖房器具を使用している場合には、一酸化炭素中毒予防のために、必ず、定期的に窓を開けて換気を行います。
24時間換気システムで部屋が寒くなる
24時間換気システムを使っていると、冬場は部屋が寒く、夏場は部屋が暑くなりやすくなります。
冬場の外の冷たい空気や、夏場の外の熱い空気を室内に取り入れてしまうため、部屋の温度が下がったり上がったりしてしまうのです。
なので、特に冬は24時間換気システムを切っているお宅が多いのが実情です。
また、せっかく部屋の気密性を高めて冷暖房効率をUPさせているのに、電気代を使って24時間換気システムで部屋の温度を下げてしまうなんて、なんて非効率と言う声もなきにしもあらずです。
しかし近年では、空気を取り込む場所(給気口)のフィルターや給気口の構造を工夫して、室内の温度が下がりにくい24時間換気システムもあります。
吸気をする際に『 熱交換器 』を通すことで、冬は室内の温度を下がりにくく、夏は室内の温度を上がりにくくします。
このような24時間換気システムの場合、冬や夏でも外気温の影響を受けにくく、二酸化炭素濃度も高くなりにくいので、光熱費削減と空気の清浄化が一緒にできてしまいます。
ただし、安普請の24時間換気システムよりも高価になるため、当初予算は高くなりがちなので、家に居る時間が少ない場合には、却って高く付いてしまう可能性もあります。
空気の取り込み口について
で、その24時間換気システムの空気の取り込み方ですが、家や部屋の所々に空気の取り込み口(給気口)があります。
そこから汚れた空気を取り込み、寝室やリビングなどの『 壁 』や、洗面所やトイレ などにある『 換気扇 』から吸い上げ、外に排出します。
空気の取り込み口には、ファンがついているタイプのものと、ファンが付いていないタイプのものがあります。
第一種換気
○ 給気口がファン付き
○ 排気口がファン付き
第ニ種換気
○ 給気口がファン付き
× 排気口はファンなし
第三種換気
× 給気口はファンなし
○ 排気口がファン付き
ファンがついているものはファンを回すための電気が必要なのですが、部屋の中に空気をしっかりと送り込むことができます。
ファンが付いていないものは、ファンを回すための電気は不要なのですが、部屋の中に空気を取り込みにくくなることがあります。
空気の取り込み量が少なくなることで起きる問題
24時間換気システムの換気扇で強制的に部屋の空気を排出していると、給気口から取り入れた外気の量が少ない場合、部屋の空気が少なくなることがあります。
空気が出ていく量が多すぎて、空気の取り入れ量が足りなくなるのです。
(24時間換気システムをONにしているのに、給気口を塞いでいたり、給気口を閉じていたりでも起きます)
部屋の空気が少なくなって減圧してしまうと、排水口やコンセントの隙間など、部屋のあらゆる隙間の空気を吸い上げてしまうため、悪臭や空気の汚れの原因になってしまうことがあります。
また、換気扇から空気が吐き出されるばかりの状態が原因で起きる『 負圧 』により、玄関や部屋のドアが開けにくくなるなどの問題が起きることもあります。
給気口のフィルターについて
空気の取り込み口(給気口)にはフィルターがついていることが多いです。
何故なら、外の空気は意外と汚れているからです。
24時間換気システムの空気の取り込み口(給気口)にフィルターを付けたまま放っておくと、チリやホコリを吸い込み、真っ黒になります。
なので、このフィルターは定期的に洗い(洗えるものは)、劣化したら交換する必要があります。
24時間換気の音
24時間換気システムの換気扇の中には、うるさいものがあります。
普通の換気扇のように、ゴーと言う音がします。
音が気にならないのであればそのままでもよいかもしれませんが、もし音が気になるようでしたら、24時間換気システムを切るとよいと思います。
ただし、その場合は定期的な換気が必要になります。
24時間換気の電力
24時間換気システムをつけっぱなしにしておいても、電気代は数百円(恐らく300〜400円)程度のようです。
もっと詳しく知りたい方は、各メーカーや製品の消費電力を調べ、家電にかかる電気代を調べるサイトで調査してみるとよいと思います。
24時間換気の耐久度
電気機器ですので、耐久度にはバラつきがあるとは思いますが、恐らく、10年〜15年以上はもつと思います。
ただし、耐久度はあるとは言っても、保証期間外で動かなくなれば交換や修理に費用がかかりますので、預貯金には余裕を持たせておいたほうが無難かもしれません。
修理は、各メーカーのホームページや販売店で問い合わせるとよいかと思います。
マンション指定の業者がいる場合は、そこに問い合わせします。
マンション指定の業者がどこかは、管理会社や管理人や管理組合などに問い合わせれば教えてもらえます。
(普通は、管理会社や管理人に連絡すれば教えてもらえると思います)
24時間換気システムで湿気を除去
24時間換気システムは、室内の湿気た空気を強制的に外に排出します。
そのため、一日中日当たりが悪かったり、浴室や洗面所に窓がなく部屋の湿度が高くなりがちな家や部屋にも、24時間換気システムは必要になります。
この他、窓ガラスや窓枠に結露が大量に付くようであれば、部屋の湿度が高すぎる可能性がありますので、多少寒くても、24時間換気で部屋の湿度を下げたほうが良いかもしれません。
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