【ありがとう】 遺言書で意思表示

前ページでは、もし仮に、伯父さんへの遺産の贈与が行われたとしても、ほんのチョビットしか受け取れないので、貰おうと努力するだけ損であるという類のお話をしました。

しかしながら、やはり一つだけどうしても腑に落ちない点があります。
それは・・・

「子供のいない一人ぼっちの老女を、これだけ世話をして介護して来た上に「葬式」まで出してあげたのに、どうしてこんなに世話をした人々が報われないのか?」
・・・ということです。

もし、伯父さんの親族が・・・
「どうせ遺産は入らないし、伯母さんの世話なんかしても仕方ない。こういうケースは放置決定!」
・・・などという類の人であれば、伯母さんは多分、一人で寂しく苦しい余生を送っていたことでしょう。

こんな言い方をしてはなんですが、そうならないように努力してくれた人に対しては、いくばくかの謝礼金(お金じゃなくてもよいですが・・・)があっても良かったんじゃないかなというのが本音です。
このケースの場合、伯母さんが生前に遺言書を作成し、しっかりと遺産の相続についての意思表示をしていさえすれば、このようなトラブルも起きませんでしたし、伯父さんの親族が不快な想いをすることもありませんでした。

まあ、伯母さんは、80の齢を超えたおばあさんでしたから、抜け落ちてしまっていたのも致し方ないような気もしますが、一般的な社会常識から考えるに、彼女のとった行為は、あまりにも薄情であったように思います。
(こんな感じの人が増えたら、独り者の高齢者の引き受けをしてくれる人は減ってしまうでしょうね・・・)


気持ちを形で残す

もし、相続権のある親族よりも、ちゃんと世話をしてくれる人に遺産を残したい場合、遺言書を作成してみるのも一つの方法かもしれません。
(別に遺言書の作成を進めているわけではないですが・・・)

遺言書は、ちゃんとしたものでなければなりません。
適当に書いたのはダメです。
何をどう書いてよいかよく分からない場合は、適当に書いて放置してしまうのではなく、本を読むなり弁護士に相談するなり、行政書士に相談するなりしましょう。


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