【危険が一杯】 生前贈与について
昔、父がこんなことを言っていました。
「生前贈与ってのがあってな、遺産はな、生前に贈与できるんや。(゚ε゚)」
「でもなぁ〜、遺産を生前贈与してしまうと、リア王になってしまう可能性があるからなぁ・・・。(゚ε゚)」
父の言った「生前贈与」とは、生きている間に遺産を相続させてしてしまうことです。
そして、「リア王」とは、長女と次女に国を譲ったのに、その長女と次女に裏切られ、惨めな最期を送る王様のことです。(シェイクスピアのお話)
つまり、父の言いたかった事は・・・
「生前贈与して娘に遺産をくれてやると、リア王のようにオケラになって惨めな最期を送ってしまう可能性があるので、生前贈与はイヤだ」
・・・ということです。
【こんなにもあった】 生前贈与の危険性
リア王になってしまう以外にも、生前贈与の危険性は存在します。
その危険性は以下の通り。
1、生前贈与で資産を渡した人が、自分よりも先に死亡してしまう
生前贈与で資産を渡した人が自分よりも先に死んでしまうと、その人の家族や親族などの「相続関係」にある人が、自動的に自分が渡したお金を相続をしてしまいます。
2、生前贈与で資産を渡した人が、生前贈与した途端に介護を放棄
生前贈与で自分の資産を受け取った途端に、態度が豹変してしまうケースです。
一度渡した資産は二度と戻ってこないですので、生前贈与する場合は充分に注意が必要です。
3、生前贈与で資産を渡した人が、その資産を使い込み
自分の介護や生活の面倒を見てもらうために、全資産を他者に生前贈与してしまった場合、その資産を旅費や遊興費に使い込みされてしまうと、残り少ない自分の生活や人生に必要な資金が欠乏してしまう恐れがありますので、これも充分に注意が必要です。
4、自分が死んだ後に、法定相続人たちが「遺留分減殺請求」を行う
生前贈与や遺言書作成で、面倒を見てくれた人に自分の資産の全額を渡せるわけではありません。
何故なら、法定相続人(子供・配偶者・孫など)は、「遺留分減殺請求」を行えるからです。
つまり、「自分の取り分(相続できるお金や資産)はよこせや」と言える権利です。
このことを考えずに適当に生前贈与したり遺言書を作成してしまうと、いざ遺産相続するとなったときに、生前贈与で自分の資産を受け取った人が、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があるので充分に注意しましょう。
より良い生前贈与へ向けて
生前贈与を行う前には、以下のような点に気をつけられると良いと思います。
1、生前贈与で自分の資産を受け取る人のお金や資産の使用目的をはっきりさせること
意味不明の目的で、ジャブジャブにお金を渡すのはあまりお勧めできません。
それは、相手の使い込みや資産の持ち逃げなどが発生する可能性があるためです。
ですが、子供の入学費用などの使途のハッキリしているお金に関しては、援助するつもりで生前贈与してあげてもよいかと思います。
2、遺言書と併用する
自分の人生や生活を守るためにも、生前贈与は必要最小限で抑えておくのが無難であると思います。
そこで、生前贈与と合わせて遺言書を作成し、自分の財産をお世話になった人に渡せるようにすると良いと思います。
3、専門家に相談する
素人判断であれやこれや考えて行動しても、抜け落ちや間違いが発生し、後々思わぬトラブルを引き起こすことがあるかもしれません。そこで、多少のお金はかかっても、最終的には、弁護士や司法書士などの専門家とご相談されることをお勧めしたいと思います。
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