住宅ローンで買った家は誰のもの?
住宅ローンと所有者
住宅ローンを組んで家を買うと、銀行は万が一に備えて、ローンを借りた人の土地や建物を差し押さえできるように、銀行は住宅ローンを借りた人の土地や建物を抵当権があるのだということを登記簿に記録します。
(登記簿に、銀行がその土地や住宅に対する抵当権を持っているのだということを記録しておけば、万が一の時に他の債権者を差し置いて、差し押さえして競売にかけることができます)
ですので、住宅ローンを借りて持ち家を買った人は、その所有権は自分のものに出来るわけですが、その家や土地は、担保物件として銀行に抑えられている形になります。
住宅ローンを借りて家を買ったら、ついつい「これでやっと我が家が手に入った」という気持ちにもなりがちだとは思いますが、実は、住宅ローンを借りて買った家は、完全に自分のものではないという点は、あらかじめ了解しておかなければならない点なのだと思います。
所有者 → 自分(住宅ローンで家を買った本人)
債権者 → 銀行(住宅ローンを貸し出した会社)
↓
住宅ローンを支払えなくなると、銀行が家や土地を没収
ローン返済後に手に入るもの
ローン返済後、家や土地を完全に自分の物とした時に手に入るものは、返済期間や物件によって大きく変わってきます。
例えば、10年でローンを完済した人は、家をさほど劣化しない状態で手に入れることが出来ます。
しかし、これが35年ですと、ローン完済後にはかなりのボロ屋が手に入ることとなります。
それでも、土地がある場合は、資産価値の目減りが少なめかと思いますが(バブル崩壊などで著しく土地が値下がりしなければ・・・)、これが分譲マンションであれば話は変わってきます。
つまり、中古の分譲マンションを35年ローンで買ってしまうと、35年後には、ほぼ無価値の老朽化したボロマンションを手に入れることとなってしまうのです。
しかしながら、同じ老朽化した分譲マンションでも、ローンを完済するまでにある程度の貯蓄をしておいて改装費用を捻出できていれば御の字であるかとは思います。
大規模改装(改修)で住みやすくなれば、作りの良いマンションであれば普通の中古マンション並みに住むことは出来るかと思うのです。
一番問題なのは、住宅ローンを完済した時にはすでにマンションは老朽化している上に、改装費用も貯蓄できなかったケースです。
こうならないようにするためにも、住宅ローンは余裕を持って、改装費用程度は捻出できるようにしておかれた方が無難であると思います。
住宅ローン完済後に、老後のための蓄えができているか
住宅ローンを完済する頃には、60歳間近だったり、60歳を超えているようなケースの場合、老後の為のたくわえが出来ているかも考えておかれた方が宜しいかと思います。
例えば、60歳でローンを完済して、預貯金や退職金のほとんどを住宅ローンの残りの支払いに充ててしまった場合などは、老後のたくわえがほとんど出来ていない計算になりますし、60歳過ぎまで預貯金もせずにひたすら住宅ローンの支払いを続けている場合なども、老後のたくわえが出来ていない計算になります。
ですので、老後にバリアフリー化したいと思われている方や、子供の世話にならずに自分で介護費用を貯金しておこうとお考えの方や、大病を患っても大丈夫なように預貯金を貯めておこうとお考えの方は、預貯金ができる形での住宅ローンの返済をされる方が無難であると思います。
広告